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山形新聞 2006年5月12日夕刊より抜粋


工場でゆう出の清水活用:ワサビ西川特産に
来年度にも栽培開始

 西川町は、水にこだわった新たな産業として、 大井沢地区のトンネル工事でゆう出した水温10度前後の清水を活用したワサビ栽培に取り組もうと準備を進めている。 生産管理の担い手には、地区の高齢者や女性を充てる方針。 県が現在、このゆう水をトンネルから約二千四百メートル先の大井沢集落まで地価パイプで引く工事をしており、 町は、この工事が完了する二〇〇四年度中にも栽培をスタートさせたい考えだ。
 水は、大江町と結ぶ県道の大井沢トンネルの新設工事をしていた一九八六(昭和六十一)年にわき出た。 町はこの豊富な水に着目。 集落への引水完了を待って、このゆう水を利用したワサビを栽培し、 地元産のそばと絡めて新たな特産品にしようという計画だ。
 岐阜県の企業が特許を持つボックス式の栽培方法を採用し、地区民の休耕田を借り受けて行う、 同方式は、三層の砂利を敷き詰めたプラスチック製の箱を栽培環境に近い適度な水はけ機能を備えている。 生育に必要な水は、地下パイプから棚上部に引き上げ、自動で散水する仕組み。 冬期間は棚自体をビニールで囲んでハウス状にし、ハウスに積もった雪は水温10度のゆう水で自然融解できる。
 町は現在、大井沢と自然環境が類似する同町月岡で栽培試験を行っており、 昨年十一月上旬に植え付けたワサビの苗は順調に育っている。 こうした準備を含めた事業費として、町は一千万円を見込んでおり、豪雪地帯に適した低コスト産業として期待を寄せている。

山形新聞 2004年1月4日より抜粋



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